獣の檻:『SPLIT』

今、わたしは檻の中にいる。 足を食われ、服を破かれ、散弾銃を手にして。 今、わたしは引き鉄を引く。 何処かも分からないパイプまみれの暗い通路の向こうから、その獣はやってくる。 その強靭な四肢で壁や天井を這い回り、ひとつひとつ照明を壊しながら、 …

完璧なる被写界深度:『パシフィック・リム』

ありがとう。 ギレルモ・デル・トロありがとう。 もう“ありがとう”以外の言葉が思い付かない。

約束の小箱:『キャビン・イン・ザ・ウッズ』

「ある国のある町に、赤毛のきれいな女の子が住んでいました」 物語に用意された最初のお約束は、やっぱりこうだろう。パンツ丸見せも忘れちゃいない。勿論お約束のご褒美だ。 女の子の名前はデイナ。ケルト神話のダーナ神族、その母なる神にちなんだ名前を…

ぼくらの伯父さん:『イリュージョニスト』

仕事が忙しく、劇場を逃してしまい、脚本がジャック・タチであると知らずに観賞。で、主人公の名前がタチシェフでビビる。「え、これジャック・タチなの!?本当だ、パントマイムだ!!ていうか『ぼくの伯父さん』の演技まんまだ!!」という感じで。ってこ…

橋の人

八月十九日未明、トニー・スコットがロサンゼルス、ビンセント・トーマス・ブリッジで亡くなったという報が。 氏の車はトヨタのプリウス。 「一方通行で、後戻りできない地形」として、様々な作品で橋を選び、映してきた。 赤い帽子がトレードマークの映画監…

最近消化した映画。 『ナチスが最も恐れた男』、『5デイズ』、『レバノン』、『灼熱の魂』、『ラバー』、『ミラージュマン』、『ミステリーメン』、『シングルマン』、『ラブ・アゲイン』。 『戦場でワルツを』を人に薦めるにあたって観ると補強になるレバ…

劇場版『けいおん!』届く。で、真っ先に絵コンテにかぶりつく。キーワードが「かわいい」だけあって随所にそういう指定が。ロケ写真がまんま貼り付けられてて、あーやっぱりと思う。明確に「一期OPから」など過去からの引用指定も納得。 劇場版『けいおん!…

思考という内臓:『シャーロック・ホームズ』

ガイ・リッチーという監督は「時代遅れ」を撮ってきた監督だ。 ボクシング・リングの上に机を構え、町のチンピラが雁首揃えて賭けポーカーをやる、そういう監督だ。 ロシアン・マフィアの近代的ビジネスライクなヤクザスタイルを嫌うボスが仕切る街、ロンド…

強制勃起戦艦:『バトルシップ』

映画はマンパワーだ。 「CGは素晴らしい」 確かに。でも小手先の作業が簡略化され、どれだけ楽になったとしても、人の仕事というのは、人間が汗をかいて必死に活動するものだ。現場というのは、今現在、大抵の場所ではそうだ。 監督は『キングダム』『チン…

カンヌ激震アレルギー

自己確認というか、定期的に自分の嗜好を書き残すことで思考に付箋を貼る文章。 嫌いな作品ある?という話が出たので、今回はその話。「観た映画をクサす」という習慣がないと確かにないかもこういう文章。嫌いというか「受け付けない。正視に堪えない」映画…

ユルマン補足

「劇場版なんだからもっとエモーショナルに、映画体験として昇華させるべき」というのは結構正しい感性で、ハリウッド系優良作品で性感帯を開発してきた証明でもある。けど、「感動が中途半端」といういわゆる情緒を測る言葉、相対的な数字で置き換えられな…

プリクラ映画:『けいおん!』

『けいおん!』メモ。 思ったことを箇条書き。 年末には魔物が潜んでいた。今年は『けいおん!』だ。観賞環境は完全にアウェイ。HTTがにゃんにゃんする度に観客が笑い、その度に僕と『けいおん!』初体験の友人・ぴゅあろーの温度が下がっていく。「何が面白…

ベルギー製バンデシネ

スピルですよ。そう、『ティンティン』です。 冒頭、似顔絵描きのパレットからカメラが出てくる→コミックから立体へてとこでもうあらかた説明を終えている。畜生、分かってやがる。あとはもう破壊、破壊、破壊。主人公ポコチンの行動はほぼ全て破壊を伴い、…

ミネバのセーラー服とか反則だろそれ。

この記事は多分にネタバレを含むので知りたくない方は読み飛ばした方が賢明かと。ていうかまさかブログで『ガンダム』記事を上げることになろうとは。あ、僕はガンダム的ゾンビ枠です。サイアム・ヴィストの声が永井一郎さんで、「すわ、これ『無印』のナレ…

毛玉の時間:『BIUTIFUL』

ウスバルには見えていた。壁を背にしてただ佇む死者達の姿が。 生きていることと、死んでいることと、今そばにいないことの違い。バルセロナの街の壁に貼り付けられた様々な暗示。人工の自然。偽物の自然。壁に描かれた絵を背景に飛ぶ本物の鳥たち。まるで本…

わおーん

Coprolalia(コプロラリア)【猥褻語多用癖】 新しい言葉、僕、覚えた。 今さらですが2010年好きな映画ベスト9とか。 1:『シャーロック・ホームズ』 うん、まあそういうこと。2:『オーケストラ!』 おフランス産共産圏音楽映画。ユダヤ人め!!3:『…

飛び出せ排便:『TFDOM』

目の前にうんこがあります。 ビッチビチの流れ糞なんかじゃない、全身で質量を主張する立派な超固形塊うんこです。さらに便器からはみ出すどころか、公衆便所からハミ出ているメガトン級のうんこです。現代アート(流行タグ)さながらのそんなうんこを目の前…

節電の合い間に、

日本の国鳥・キジは情報を、桐は鳳凰が住む木とされ、復帰を表すそうです。 また両者は岩手県の県鳥、県花でもあります。 未だ連絡の付かない、多くの方々の無事を祈って。

こんな時に出来ること。

大切な人が見付かりますよーに!! 節・電・っ!!!

『Everybody Hurts』は名曲だ。

そんな訳で(どんな訳だ)三月半ばで今の仕事とオサラバすることに。仕事だから仕方ないんですが、関わったものが形にならないと色々とあばばばばばば。で、修羅場中にこれだけは観ねばと観たラース・フォン・トリアー『アンチ・クライスト』が色々痛くて大…

ピーターの叔父さんは偉大だった。

全身タイツ着ればもうヒーローものになるのか、違うがな。ヒーローってのは生き様なんですよ。個人を捨てて自分の信じるやり方で、他人の人生を変える。だから『鉄腕バーディー』の千川つとむとか見てていい感じにヤキモキできるんですよ。何処までも自分の…

蟲毒の戦士:『キック・アス』

何だか騒ぎが大きくなって「いや面白いけど大絶賛とかされるもんじゃないよこれ」ってな感じが拭えないです『キック・アス』。監督はマシュー・ボーン(『スナッチ』ガイ・リッチーと組んでたプロデューサー)監督作は『レイヤー・ケーキ』『スターダスト』。…

Projectitoh本

先月、ハヤカワ文庫から伊藤計劃さん著『ハーモニー』文庫版が発売されました。 とても面白い童貞百合百合医療管理社会SFなので、是非。そして三月には『記録:第弐位相』発売予定。あの人の映画レビューで一番面白いのは『キングコング』だと思うんです。…

追記。

はい、トニスコお約束のコーナーです。 1:橋 橋!!また橋きた!!事故現場のオハイオじゃなくペンシルベニアを舞台にしたのはこの橋渡ってすぐに工場地帯があってしかも超カーブで大事故連想させやすいからだろトニスコさんよ。あああそれにしても橋を渡…

リッパーコースター:『アンストッパブル』

2011年お正月映画。待ってましたトニスコ。色々記事上げてないけどこれだけは上げねば。ねば。 監督は僕らのトニー・スタ……、違うトニー・スコット。実は僕兄リドリーよりも弟トニーのフォロワーだったりします。え、もちろん『スパイ・ゲーム』ですよ。…

すーぱーおちんちんたいむ

はじまるよー!! ・『NINE』 ロブ・マーシャル×ダニエル・デイ・ルイスの大妄想エロエロミュージカル。金のバスタブ+爺さんという最高に嬉しくない入浴シーン『シャーロック・ホームズ』に引き続き地下の岩風呂+司教という爺さん入浴映像に驚愕。なん…

どこまでもガーディアンズ

自キャラ沼子に引き続きラグオル&グラールでお世話になった方達のキャラもチョコチョコ描いていこうかと。てなわけで描かれた人は僕に関わってしまった不幸だと思って諦めてくだささささささ。 右はアニさんことアニゼット・ド・ドサドビッチさん(要出典)…

よろしくってよ!!

『PSO』から『ぽ2』まで、沢山遊んだ『ファンタシー・スター』。区切りとして自キャラ絵を。『PSU』のおかげで沢山の人に出会えました。ドSの変態さんとかパルムのナイス変態さんとかメカどっくな変態さんとか自動車で鹿に轢かれたアイマスPとか赤…

忘れないうちに箇条書き。 ・『コラライン』 ストップモーションアニメって素晴らしい。本物って素晴らしい。CGは凄いと思うけどやっぱり本物には全然追いついてないよ本物最高。 ・『抱擁のかけら』 スペインの大エロ爺さんアンモドバルの映画の編集映画…

オススメはみかん。

画像うpテストとお店の紹介を。 右のおっさんは THE BAR QUEENMERRY 太田町店の店長ネモさん。横浜っつったらカクテルでしょ。てなわけでカクテルが死ぬほど美味しいお店なので、その筋の人は是非。あ、モルトやシガーなど、他にも嗜好が盛り沢山であります…